飲める温泉 天然アルカリイオン泉 雲峰の霊泉 特徴
わが国は“温泉天国”といわれるくらい温泉に恵まれています。古くから現代に至るまで美容・健康維持の目的で活用されています。
いったい、温泉とはどのようにして成り立ってきたのでしょうか。現在の進んだ科学をもってしても、完全な解明はムリかもしれません。数千億円をかけた化学工場・研究機関を設備したとしても、天然の温泉と同じ効用のものをつくり出すことはできないでしょう。
なぜなら、それは何千万年もの長い間、地球という巨大な圧縮釜に閉じ込められたマグマから吹き出してくる特殊なミネラルイオン泉だからです。マグマとは太陽に近い超高温で、しかも数万トンという途方もない圧力で閉じ込められた地球内部のきわめて特殊な状態です。
そこでは、水素から放射性元素まですべての物質が活性化-イオン化-していて、環境いかんでは別の物質に変化するような“不安定”な状態でもあるのです。
そのマグマが急冷されるとき、比重の違いによって同じ原子が集まります。金イオンが集中して急冷されると金脈が、炭素イオンが集中急冷のときはダイヤモンドの鉱脈ができます。水素イオンの場合には湯脈ができるというようにして、現在の地球が形成されたのです。
冬の大菩薩峠
山梨県・大菩薩山麓にある裂石温泉から湧き出している幻の霊泉も、地球創造のドラマのユニークな一頁、いや一行を演出しているといえます。
先年NHK大河ドラマ「武田信玄」の本舞台となった、重文雲峰寺の敷地内にある裂石温泉は、今から1200年ほど前に一人の高僧が業をしているとき、落雷があり石が裂けて温泉が湧出したといわれています。フランスのルルドの泉にまつわるマリア様出現と同じように有名温泉には不思議な縁起が語りつがれているようです。
尚、この地は地質学的にみれば、この一帯は塩山御影石の産地で、得和型花崗閃縁岩の分布している地域です。これらの岩石をごく微量溶解しながらその割れ目から湧出する”水”は、PH9.90という世界でも珍しい「強アルカリイオン泉」です。
裂け石
自然から遠のいた都会の真ん中で、大菩薩山麓から取り寄せた一杯の霊水を心ゆくまで味わうとき、そして真にうまいと感じるとき、人は“自然に還れ”という高い哲学を噛みしめているともいえるのと違うのでしょうか。自然を征服するのではなく、自然を実現し受入れてこそ真の生き方ではないでしょうか。それは、人もまた自然の一部であるからです。
日本は今、自然を見失ってまで本当に豊かになったのか、と真剣に問い直されています。車に乗るより歩く方が、化学薬品を使っている水道水より天然の霊泉の方が健康によい。それは、現代の「ぜいたく」の本質は何かを反問しているのです。
一杯の霊泉に思うのです。「衣食足りて霊泉を知る」と。深山幽谷の空気を運ぶことは困難でも「雲峰の霊泉」を天然のままで取り寄せる「ぜいたく」は、私たちにとって可能なのです。
雲峰寺